2017年

 遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

 今年は2017年であり、平成29年になったにもかかわらず、必要な書類につい28年と書いて訂正するはめになっている。慣れるまではまたちょこちょこ間違えてしまいそう。

 今年は去年よりは文章を書いたり、本を読んだりしたい。せめて、このブログも月に一度は更新できるようになりたい。いや、本当は週に一度書けたらいいとは思うけれど、たぶん無理だろう。

 

 2016年は激動の年だった。ブログやツイッターでは趣味について好きなだけ語る場所でありたいと思っていたので、あまり書かないようにしていたのだが、いままでの人生で一番激動の年だったのではないだろうか。とても良いこともあったし、とても悪いこともあった。年明け早々父の大病が発覚し、家族全員で落ち込んで、夜に布団に入っても涙が止まらず、泣いて泣いて苦しい思いをした。ただ、あまりにもつらかったせいか、そのときの記憶は半分飛んでいる。本当に運よく早期発見だったため、父の病は入院と投薬治療で治った。当初は退院後、回復するまで他の病院に転院する予定だったのに、自宅療養で全快した。

 医療ってすばらしい。他の検査をしていたのに発見してくれた、お医者さん、どうもありがとうございます。

 

 他にも実家を出て独立したり、自分の料理のセンスのなさに絶望したり(センスというか時間がかかりすぎるというか)、長年勤めた仕事を退職して、今は求職活動中だったり、いろいろあったが、とりあえず今年も自分なりにがんばっていきたいと思う。

 

嘘をついてはいけない

 

 先日甥っ子が遊びに来てくれたときに

「ねえ、カラタチちゃんって何歳なの?」

「えっ? 26歳だよ。甥っ子ちゃんは?」

「5歳だよー」

 

 という会話をした。しばらくして

「ねえ、カラタチちゃんとパパってどっちが年上なの?」

「ん? パパの方が年下だよ。カラタチちゃんはパパのお姉さんなんだよー」

「そうなんだー」

 

 という会話をした。しばらくして

 

「あれ? でも、パパって3×歳だよ」

「そうだねえ」

「カラタチちゃん、さっきパパより年上って言わなかった? それなら、なんで、26歳なの?」

 と不審な顔をされたので仕方なく白状した。

「実はカラタチちゃん、3×歳なんだよ。さっきは嘘をついたんだよ」

「えええええー。なんでー? なんで嘘ついたのー?」

「なんでだろうねえ。甥っ子ちゃん、こんな風に嘘をついたら、すぐにわかるし、怒られるんだよ。嘘をついたらいけないんだよ」

 

 という感じでいかにも「嘘をついてはいけない講座」という風にまとめておいた。純真だが世間のわかるようになってきた甥っ子にもはや年齢のサバ読みはできない。

 

 後で弟に

「姉ちゃん、何歳って言ったん?」

「26歳」

「はあ? ふざけてんの?」

 

 と非常に冷たく言われた。いいじゃん。本当は23歳って言いたかったところを26歳って言ったんだからさ。

 

たぶんアレルギー

 毎年この時期になるとアレルギーなのか乾燥のせいか肌のかゆみが出てくるのだが、今年は耳の中のかゆみがひどくて困った。なんとか落ち着かせようと綿棒でつついていたら出血したので、これはいけないと思って、病院に行ってきた。以前放置したら外耳炎になってそれはそれは恐ろしい思いをしたからである。(単に処置が痛かっただけだが)

 

 今回は外耳炎にはなっておらず、「もう耳掃除はやめてくださいね」と言われて点耳薬を処方された。外耳炎になった際処方されたこともあるのだが、目薬を兼ねている点耳薬は初めてだった。つまり、目薬を耳の中に入れるわけである。別に痛いわけではないがひやっとして、耳の中に水が入っている感じがして何とも気持ち悪い。

 これで中耳炎とかならないでよね、と心配しながらもかゆみがかなり抑えられるので続けることにする。

 

 

『贖罪』

 

贖罪 (双葉文庫)

贖罪 (双葉文庫)

 

  空気のきれいな町で少女が殺された。殺された少女の発見者となった四人の少女は事件に巻き込まれたことによって人生を狂わされてしまう。犯人は誰だったのか。少女たちの贖罪とは何なのか――。

 

 湊かなえさんらしい人の悪意に満ち満ちたえげつない作品だった。えぐいなあ、つらいなあ、と思いながら一気に読んでしまった。救いがないので、救いがない話が苦手な方にはお勧めできない。

 

 私がミステリが好きなのはきちんと動機があって殺人が起こり、それがきれいに解決するからなのだが、今回の話は動機も決して納得できるものではないし、きれいに解決していないし(だからこの作品はミステリにカテゴライズできない)、何よりも幼い女の子がひどい目にあっているのが読んでいてとてもつらかった。ただ、殺人に至る動機はともかく、周辺の心理描写は好きではないけれどおもしろいと思う。

 

 湊さんの本は続けて読むと心が弱りそうなので、また気が向いたら読むかもしれない。

 

 以下はネタバレ感想。

 

 

 この物語は一章ごとに事件に巻きこまれた少女一人ずつの手紙や独白で話が続いていき、最後に真相が明らかになるという作りになっている。

 

 少女たちは被害者エミリの母麻子から娘を殺した犯人を見つけるか、贖罪をするように言われてしまう。その言葉を背負って生きることとなった少女たちの苦しみが描かれているわけだが、あんなに幼くして殺人の現場に居合わせてしまった少女たちもまた被害者なのにこれほど苦しめられる必要はなかったように思う。

 

 紗英の物語は最初からすごい展開でくるな、と思った。エミリが暴行をされて殺されたのはこの物語のためなのではないか、とも思う。殺人未遂で終わるかと思いきや、本当に殺してしまったので、まったく救いのない話ではあった。しかし、特注のドレスってすごいな。日本なら逃げられたかもしれないのに。

 

 真紀の物語は人の心理ってえげつないなー、と思わされるお話だった。小学校の教師となった真紀が変質者から子どもたちを守るために命がけで戦い、救ったわけだが、犯人がそのときに死亡してしまったために英雄から一転、加害者として非難されてしまう。現実はここまでひどくないと思いたいけれど、何かほころびがあるだけで非難されてしまうのは恐ろしいと思った。この事件によって、ようやく真紀は過去から解放される。一番救いがあるのは彼女だけかもしれない。

 

 晶子の物語はひたすらえぐい。冒頭でエミリが悲惨な目にあっていたから、もうそういう場面は出てこないだろうと思ったのに、もっとひどい場面で出てきてしまった。内容を書こうとして、悲惨すぎて書けなくなった。これはなー。晶子の母親は全部兄の嫁のせいだと言っていたが、いくら何でもそれはない。というか元々晶子の兄はそういう嗜好の持ち主で、娘目当てで結婚したのではないか。なんだか、この物語は唐突すぎて、えぐさだけが残る話だった。若葉ちゃんが忘れものをしたのは助けを求めるためにわざとしたことではなかったのかな。義理の祖父や祖父、叔母に優しくされながら、義理の父に虐待されるなんて、これほどつらいことはあるだろうか。若葉ちゃんだけはすべてを忘れて幸せになってほしい。晶子は正気を失ったままだし、正気を取り戻してももっとつらい思いをするだけだと思う。まったく救いのない話だった。

 

 由佳の物語は女性のねちっこさがよく描かれた嫌な話だった。子どもがいるんだから、強く生きていってほしい。

 

 最後はエミリの母親麻子の物語である。

 麻子は娘を失った苦しみをそのまま少女たちにぶつけたわけだが、「犯人を探せ」と言うわりに自分は必死で探していないし、自分の投げかけた言葉がそれほどまでに少女たちを苦しめたとも思っていない。自分の言動を振り返り、娘はなぜ殺されなければならなかったのか気付くのは最後の最後だ。それでも、彼女の独白を読む限り、本当に自分の言動に責任を感じているのかは疑問が残る。「私は思ったことを言っただけなのに、なぜあなたたちはそんなに気にするの? 気にしていたのなら、直接私に言えばよかったのに」という考え方は最後まで変わらなかった。

 

 一番納得できないのは犯人の南条がエミリを殺した動機だ。12歳のエミリはむごいことに暴行されて殺されているのである。麻子を許せないのなら、彼女に直接復讐すべきだったし、どれだけ恨みがあろうとも、まったく罪のない幼い少女をあんなに無残な殺し方をする理由にはならない。

 

 麻子の独白を読む限り、南条がそれほどの凶行に及ぶほどの動機も弱い気がする。麻子の行動のせいで彼の愛した秋恵は死に追いやられたのかもしれないが、その責任の一端は南条にもあったのではないか。秋恵と別れた後、麻子と交際していたのは南条なのだし、指輪をあげたのも彼の判断なのだから。秋恵のことがどうしても忘れられないのなら、秋恵を思って独り身でいればよかったのに、と思う。

 

 最後、南条はエミリが本当は自分の娘だったと知って、自首か自殺かを選んだわけだが(作中には名言されていないが、自首だろうか)、自分の娘ではなかったら彼は悔いることも行動を起こすこともなかったのだろうか、と思うとすごく嫌な気分になる。どれだけの動機があったとしても、まったく抵抗できない相手に、守るべき子どもに、あんなひどいことをして15年も平気で生きてきたのだから、南条が極悪人としか思えない。

 

 この物語は事件によって人生を狂わされた少女たちを描くためにあるのだろうから、エミリは通り魔による快楽殺人の犠牲になった、とだけでよかったのではないかと思う。いまいち犯人の人物像と動機と凶行がそぐわないような気がして、もやもやとしたまま読み終えてしまった。

 

 

 

 

 

やたら疲れる

 がらりと環境が変わってしまったというのもあるんだけれど、やたら疲れる。前に比べたらぜんぜん忙しくないはずなのに、疲労度が増している。環境の変化にすぐに適応できないのは昔からなので、そのうち慣れたら楽になるのかな、と思っている。

 

 今住んでいるところは図書館が近いのがうれしい。以前よりは読書量はかなり減っているんだけれど、図書館の本の並んだ書棚や本を選ぶ人たちを見るのが好きだ。(じろじろは見ないけれど)古典文学のコーナーなんて、背表紙を見ると懐かしくてしばらく眺めてしまった。普段読まないジャンルもこの際だから、読めたらいいな、と思っている。

 

 

 

 

 

『ルイザと女相続人の謎』

 

ルイザと女相続人の謎―名探偵オルコット〈1〉 (創元推理文庫)

ルイザと女相続人の謎―名探偵オルコット〈1〉 (創元推理文庫)

 

  『若草物語』の作者ルイザ・メイ・オルコットは若き日の頃、作家を目指す傍ら、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまう。ひどく悩んでいた様子の友人ドロシーが何者かに殺されてしまうのだ。犯人は金目当てで結婚したと噂される彼女の夫と思われたが――。ミステリシリーズの第一弾。

 

 頭が良く活動的なヒロインルイザの活躍がおもしろく、一気に読める一冊だった。

 ミステリとしてもおもしろいが、1854年頃のボストンの暮らしぶりを読むのが楽しい。ドレスや調度品の描写も好きだし、熱い紅茶やパンの香りがただよう小説だと思う。クリスティよりモンゴメリの世界に近い感じかな。

 

 以下はネタバレ感想。

 

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本の整理

 本棚が限界になったのでそろそろ決断しなければならない、ということで泣く泣く半分以上は処分した。kindleで出ているコミックについてはできるだけ紙の本から切り替えるようにしているんだけれど、同時発売ではないことも多いため、待ちきれずに買ってしまうことも多い。本日発売の(地元ではまだ発売してないけれど)『歌うたいの黒うさぎ』の最終巻もkindle版は11月発売である。待ちきれないのでコミックを買うしかない。

 ただ、どうしても処分できない本もたくさんあって(絶版ものとか繰り返し読み続けるものとか)、処分できない以上、これ以上買うのを控えるしかないのである。私よりもっとたくさんの本を読まれている皆さんは、本の収納はどうされているんだろうか。