嘘をついてはいけない

 

 先日甥っ子が遊びに来てくれたときに

「ねえ、カラタチちゃんって何歳なの?」

「えっ? 26歳だよ。甥っ子ちゃんは?」

「5歳だよー」

 

 という会話をした。しばらくして

「ねえ、カラタチちゃんとパパってどっちが年上なの?」

「ん? パパの方が年下だよ。カラタチちゃんはパパのお姉さんなんだよー」

「そうなんだー」

 

 という会話をした。しばらくして

 

「あれ? でも、パパって3×歳だよ」

「そうだねえ」

「カラタチちゃん、さっきパパより年上って言わなかった? それなら、なんで、26歳なの?」

 と不審な顔をされたので仕方なく白状した。

「実はカラタチちゃん、3×歳なんだよ。さっきは嘘をついたんだよ」

「えええええー。なんでー? なんで嘘ついたのー?」

「なんでだろうねえ。甥っ子ちゃん、こんな風に嘘をついたら、すぐにわかるし、怒られるんだよ。嘘をついたらいけないんだよ」

 

 という感じでいかにも「嘘をついてはいけない講座」という風にまとめておいた。純真だが世間のわかるようになってきた甥っ子にもはや年齢のサバ読みはできない。

 

 後で弟に

「姉ちゃん、何歳って言ったん?」

「26歳」

「はあ? ふざけてんの?」

 

 と非常に冷たく言われた。いいじゃん。本当は23歳って言いたかったところを26歳って言ったんだからさ。