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『氷雨降るハーグ』

ベティ・ニールズ

 『氷雨降るハーグ』

氷雨降るハーグ (ハーレクイン・イマージュ)

氷雨降るハーグ (ハーレクイン・イマージュ)

 

  

 病院で働く看護師のオクタヴィアはある日、地中海めぐりの船で看護師として働くように命じられる。仕事とはいえ、お休みの日には観光もできるかもしれない。彼女は同僚にしつこく妨害されながらも、なんとか素敵なお休みをゲットしつつ、オランダ人の医師ルーカスと親しくなる。

 船を降りたオクタヴィアはあるできごとがきっかけで、ルーカスと結婚することになるのだが――。

 

 ベティ・ニールズの友情結婚ものは今回初めて読んだのだが、なんということでしょう! 友情結婚も恋愛から結婚の物語もヒーローのダメっぷりはまるで変わらない展開ではないですか!(褒め言葉)

 

 以下はネタバレ感想。

 

 

 船の生活の描写がとても楽しかった。底意地の悪い看護師仲間の妨害で思う通りの休みが取れない辺り、すごくリアルだなあ、と思った。権力のある立場の人だけ良いお休みが取れるってよくあることだよね。(本当はダメだけど)

 それでもルーカスの助けで一緒に観光ができる場面も楽しかったし、このままほのぼのと仲良くなるのかなー、と思っていたら、下船後、オクタヴィアのお父さんの急死によって、二人が結婚することになるとは思ってもみなかった。浮世離れしているけれど、のんびりした良いお父さんだったのになあ。オクタヴィアが結婚する姿を見せてあげたかった。

 

 結婚後はオランダに移り住むことになったオクタヴィア。好きなものを好きなだけ買っていいと言われて(ルーカスは大富豪)、お買い物をする場面が楽しかった。娘のブレンディナもとてもかわいいのに、ルーカスはなぜか自分を中年と言いながら、いとこのマーカスをやたら近づけようとする。この似たような名前が紛らわしいのと、マーカスがなれなれしいのが気になって、出てくるたびに苛々したが、結局ただのいい人だったので良かった。

 

 とりあえず、この二人に言いたいのは話しあえ!

 

 まずは話し合いなさい。愛を叫ぶ前に話し合うんだ。

 いや、まあ、ハーレクインな物語ではいつも思うことだけれど、もっとお互いに顔を見てちゃんと話し合ったら「いや、中年だし、再婚だし、若い方がいいよなあ」と卑屈になったり「あの人は私のことなんてどうでもいいのよ。だからマーカスとくっつけようとするんだわ」と悲観したりすることはなく、楽しく仲良く暮らせたんじゃないかと思う。ただ、最後のオクタヴィアの泣きそうな告白からのルーカスの切れっぷり――絶叫告白しつつ、大股で部屋を突っ切って抱きしめる(とても普段の行動からは考えられない)――はとても良かったのですべてが許せる。この台詞を平田広明さんで変換したらとても幸せになれた。