『その女、ジルバ(1)』
『その女、ジルバ(1)』(有間しのぶ)
笛吹新(40)は職場では閑職に移動になり、恋人に去られて、先の見えない人生に不安を抱いていた。そんなときに見つけた張り紙「ホステス募集40歳以上」につられて入ったお店「JACK&ROSE」でホステス見習いアララになるが――というお話。
わりと暗い始まり方だったので、先行きがどうなるのかと不安だったが、店のマスターの「お嬢ちゃん、うちはロリコンクラブじゃねえんだ。シジュー前に用はねえよ!」という粋な台詞にぐっときて、ホステスの元気すぎる老婦人たちにもっとぐっときて、楽しく読んだ。
自分には何の価値もなく、これから先、どうやって生きていけばいいのかわからない、という不安に苛まれるアララの気持ちはすごくよくわかるから、どんどん前向きにきれいになっていく彼女を見るのが楽しい。
笑いあり、涙ありでおもしろかった。